突然、訪れるご家族の相続。
大切なご家族を亡くされると、悲しみに暮れる間もなく、相続手続きという現実がやってきます。
この記事では、相続の大まかな流れに沿って、どのような手続きがあり、どの順番で進めればよいか、必要な書類はどのようなものか、について相続を専門に扱う行政書士が解説します。
まずは相続人を特定しましょう
相続が始まったら、まずは相続人を特定しなければなりません。
誰が相続人になるかは法律によって決まっており、戸籍を取得・調査してその法律上の相続人(法定相続人)を特定する必要があります。
戸籍を調べたら、相続関係を関係線で結んで表した「相続関係説明図」や「法定相続情報一覧図」を作成します。(いわゆる家系図のような書類です)
誰が相続人になるかは法律によって決まっており、戸籍を取得・調査してその法律上の相続人(法定相続人)を特定する必要があります。
戸籍を調べたら、相続関係を関係線で結んで表した「相続関係説明図」や「法定相続情報一覧図」を作成します。(いわゆる家系図のような書類です)
戸籍の調査-まずは亡くなったことがわかる戸籍を取得しましょう
戸籍を何から取れば良いかわからない、というお話もよく聞きます。
まずは、亡くなった方(被相続人)が亡くなった時点の戸籍を取得してみましょう。
亡くなった方の本籍地がある役所の窓口で取得することができます。
もし、本籍地が分からない場合は、亡くなった方の住民票(除票)を「本籍地記載」と申請して取得すると、本籍地を確認することができます。
この戸籍を手がかりに、他の戸籍を取っていきます。
他に必要な戸籍については、別記事で解説したいと思います。
まずは、亡くなった方(被相続人)が亡くなった時点の戸籍を取得してみましょう。
亡くなった方の本籍地がある役所の窓口で取得することができます。
もし、本籍地が分からない場合は、亡くなった方の住民票(除票)を「本籍地記載」と申請して取得すると、本籍地を確認することができます。
この戸籍を手がかりに、他の戸籍を取っていきます。
他に必要な戸籍については、別記事で解説したいと思います。
相続関係説明図や法定相続情報一覧図とは
戸籍の調査が終わったら、相続関係を表す書類を作成します。
「法定相続情報一覧図」は、収集した戸籍とともに法務局に提出すると、その相続関係を証明する公的な書類(法定相続情報一覧図の写し)になります。
本来は、収集した戸籍の束と「相続関係説明図」が、相続手続き先(銀行など)に相続関係を証明する書類になりますが、「法定相続情報一覧図の写し」を提出することで戸籍の束を提出する必要がなくなり、手続きが非常にスムーズになります。
「法定相続情報一覧図」は、収集した戸籍とともに法務局に提出すると、その相続関係を証明する公的な書類(法定相続情報一覧図の写し)になります。
本来は、収集した戸籍の束と「相続関係説明図」が、相続手続き先(銀行など)に相続関係を証明する書類になりますが、「法定相続情報一覧図の写し」を提出することで戸籍の束を提出する必要がなくなり、手続きが非常にスムーズになります。
次に財産を調べましょう
次に、亡くなった方の財産に何があったかのかを把握していきましょう。
不動産は?
預貯金はどの銀行口座にある?
株や投資信託はあった?
車の名義はどうなっている?
お金の貸し借りはあった?
いっぺんに把握することは難しいかもしれませんので、気がついたところから少しずつ調べていきましょう。
不動産は?
預貯金はどの銀行口座にある?
株や投資信託はあった?
車の名義はどうなっている?
お金の貸し借りはあった?
いっぺんに把握することは難しいかもしれませんので、気がついたところから少しずつ調べていきましょう。
不動産は権利証や固定資産の納税通知書を確認する
不動産をお持ちであった場合、権利証(現在では登記識別情報という書類)が残っていると思いますので、確認をしてみてください。
また、毎年春頃に、不動産が立地している自治体から固定資産税に関して「納税通知書」という封筒が届いていると思います。その書類の中にも、不動産の地名や番地などが記載されていますので、そこから確認することもできます。
また、毎年春頃に、不動産が立地している自治体から固定資産税に関して「納税通知書」という封筒が届いていると思います。その書類の中にも、不動産の地名や番地などが記載されていますので、そこから確認することもできます。
銀行の通帳を確認しましょう
亡くなった方名義の銀行の通帳を見て残高を確認しましょう。定期に入っている場合も通帳に記載されていると思います。
ごく稀に、通帳がなくキャッシュカードしか見つからないという場合もありますが、その場合でもそのキャッシュカードを発行している銀行に確認すれば、口座や残高があるか判明します。
ごく稀に、通帳がなくキャッシュカードしか見つからないという場合もありますが、その場合でもそのキャッシュカードを発行している銀行に確認すれば、口座や残高があるか判明します。
証券会社などからの封筒がないかを確認しましょう
株や投資信託など、証券会社に口座を持っていた場合は、年に1回程度は評価額等についてのレポートが送られてきていると思います。
証券会社からの封筒があった場合は、中身を確認してみましょう。
証券会社からの封筒があった場合は、中身を確認してみましょう。
具体的な手続きを進める前に-遺言書を確認しましょう
相続人の特定と財産の調査ができたら、具体的な相続手続きを進めていくことができます。
手続きをすすめるにあたって、亡くなった方が遺言書を残していたかどうかで、大きく流れが変わります。
手続きをすすめるにあたって、亡くなった方が遺言書を残していたかどうかで、大きく流れが変わります。
遺言書があった場合
遺言書があった場合は、そこに書かれた内容に従って手続きを進めることになります。
ただし、相続人全員の同意があれば、遺言書とは異なる内容で手続きを進めることも可能です。それは次で説明する「遺言書がなかった場合」と同じ流れなります。
ただし、相続人全員の同意があれば、遺言書とは異なる内容で手続きを進めることも可能です。それは次で説明する「遺言書がなかった場合」と同じ流れなります。
遺言書がなかった場合
遺言書がなかった場合は、相続人全員で話し合ってどのように分けるか(遺産分割協議と言います)、法定相続分で相続するか等を決めます。
遺産分割協議で分け方を決めた場合は、その内容を「遺産分割協議書」という書類にする必要があります。
遺産分割協議で分け方を決めた場合は、その内容を「遺産分割協議書」という書類にする必要があります。
相続税を検討しましょう
遺言書か、相続人による話し合いか、どちらで進めるにしても、相続税について検討しておいたほうがよいでしょう。
一般論として、亡くなった方の財産の額が「基礎控除額」を超える場合には、相続税を検討する必要があると言えるでしょう。
「基礎控除額」とは、3000万円+法定相続人の人数×600万円の合計で算出されます。
例えば、法定相続人が3名であれば、3000万円+1800万円=4800万円となります。
※他にも相続税の計算上に含まれる財産が定められており、一概に遺産がこの金額を超えなければ相続税がかからないという訳ではありません。詳しくは管轄の税務署や税理士へご相談ください。
一般論として、亡くなった方の財産の額が「基礎控除額」を超える場合には、相続税を検討する必要があると言えるでしょう。
「基礎控除額」とは、3000万円+法定相続人の人数×600万円の合計で算出されます。
例えば、法定相続人が3名であれば、3000万円+1800万円=4800万円となります。
※他にも相続税の計算上に含まれる財産が定められており、一概に遺産がこの金額を超えなければ相続税がかからないという訳ではありません。詳しくは管轄の税務署や税理士へご相談ください。
財産ごとの相続手続きを進めましょう
戸籍や財産等の調査が終わり、遺言書や遺産分割協議書が整ったら、それぞれ相続の手続きを進めていきます。
財産によって、どのように進めて行くかを簡単に解説します。
財産によって、どのように進めて行くかを簡単に解説します。
不動産の手続き-法務局
不動産の名義変更(相続登記)は、不動産の所在地を管轄する法務局の窓口に行います。
これまでに集めた戸籍や法定相続情報一覧図はもちろん、遺言書か遺産分割協議書を揃えて、登記の申請書を作る必要があります。
そのほか、追加で書類が必要になる場合もあります。
詳しくは管轄の法務局の窓口で相談することができます。
これまでに集めた戸籍や法定相続情報一覧図はもちろん、遺言書か遺産分割協議書を揃えて、登記の申請書を作る必要があります。
そのほか、追加で書類が必要になる場合もあります。
詳しくは管轄の法務局の窓口で相談することができます。
銀行や証券の口座-各金融機関の窓口へ
銀行や証券の口座については、それぞれの金融機関の窓口に出向く必要があります。
各金融機関によって手続きの進め方に少しずつ違いがありますが、大きな流れとしては窓口に書類を提出すると、各金融機関の所定の書類がもらえるので、その書類に相続人が署名・捺印して提出します。
各金融機関によって手続きの進め方に少しずつ違いがありますが、大きな流れとしては窓口に書類を提出すると、各金融機関の所定の書類がもらえるので、その書類に相続人が署名・捺印して提出します。
相続手続きの期限は?
相続税がかかる場合は、亡くなった日から原則として10ヶ月以内に申告・納税をする必要があります。
不動産については、令和6年(2024年)4月1日以降は、亡くなった日から3年以内に名義変更(相続登記)をしなければなりません(相続登記の義務化)。
銀行等については明確な期限はありませんが、一般的に10年間取引がない口座は休眠口座となり、引き出す手続きに時間や手間が掛かってしまう場合があるので、早めに手続きをするのがおすすめです。
不動産については、令和6年(2024年)4月1日以降は、亡くなった日から3年以内に名義変更(相続登記)をしなければなりません(相続登記の義務化)。
銀行等については明確な期限はありませんが、一般的に10年間取引がない口座は休眠口座となり、引き出す手続きに時間や手間が掛かってしまう場合があるので、早めに手続きをするのがおすすめです。
まとめ
今回は相続手続きについて、どんな手続きを、どんな順番で進めていくのがよいか、ということを大きな流れでご説明させていただきました。
具体的な戸籍の集め方や、財産の調べ方、そもそも相続人は誰?などの詳しい解説は、次回以降にしていきたいと思います。
ここまでご覧いただきましてありがとうございました。
具体的な戸籍の集め方や、財産の調べ方、そもそも相続人は誰?などの詳しい解説は、次回以降にしていきたいと思います。
ここまでご覧いただきましてありがとうございました。